レンタルあやちゃん始めました

カフェ店員。手相、タロット、筮竹、恋愛相談、イベント企画、作詞作曲、歌、いろいろしてます♡

ラブレター代筆人の初恋(ショートショートその②)

私はラブレターを書く仕事をしている。

誰かの代わりに、ラブレターを書く。

そう、ラブレター代筆人。

10年前に始めたこの仕事がなかなか好評なのだ。

 

ただラブレターを書いているわけではない。私は幼い頃から人の想いが見える、という能力を持っていた。

周りから羨ましがられたり、不気味がられたりする普通ではないらしいこんな能力、ないほうがよっぽど良い。

人の想いが目に見えるって、こんなに辛いことはない。

私には生まれたときから親がいない。親戚の家をたらい回しにされて、10歳から高校卒業まで施設で育った。それから1人で生きていくためにいろんな仕事をしたが、どこにも私の居場所はなかった。

親戚にも施設の人たちにも感謝はしている。でも、みんな私の存在を鬱陶しがっていた。泣いても笑っても、どこにいても、生まれてこなければよかったのにって顔に書いてあった。

 

施設に入ってすぐに、チョコレートが大好きな男の子と仲良くなった。困ったようにくしゃっと笑う彼と過ごす時間だけが、唯一の救いだった。彼の想いだけはなぜだか最後まで見えなかったけど、楽しかった。たまにおやつで出るチョコレートを半分こして大事に食べた。

だけど彼は養子になって、遠くへ行ってしまった。最後の日にくれたラブレターを、私はなんだかいつまでも捨てられずにいた。それが恋だったと気づいたのはつい最近のこと。後にも先にも、人を好きだと思ったことはなかった。

 

容姿は飛び抜けて綺麗なわけではないが、特に不細工でもない中の下くらい。だから彼氏がいたこともある。だけどぜんぶ見えてしまう。

ただやりたいだけとか、家族がいなくてかわいそうだとか、浮気したあの子にまた会いたいとか。見たくないものも、見えてしまう。

 

でも、みんなはそれらが見えないらしい。

私は想いが見えるから人の気持ちを言語化するのが得意で、それを思い切って仕事にしてみたら、なんだか形になってしまった。

 

今日も1件予約が入っているが、「ずっと探している初恋の人にラブレターを書いてほしい」なんていう奇妙なメールだったから、たまにある冷やかしかもしれない。

待ち合わせのカフェに着くと、クラシックショコラをおいしそうに食べている男の子がいた。

それはもう、おいしそうに。

 

目が合った瞬間、私は泣いていた。その人は困ったような顔でくしゃっと笑った。

 

『君もチョコレート、食べる?』

 

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ツイッターのタイムラインに流れてきた、ブロガータロウさんのショートショート(小説の中でも特に短い作品のこと)の企画、

「ラブレター代筆人の◯◯」に参加させていただきました!ぴったり1000文字!

 

 

 

 

好評で嬉しかったです(*´꒳`*)💕

 

 

 

 

子どもの頃からなぜかずっと作文が得意で、小学校の時に読書感想文は表彰され、標語は学校の看板になり、中学校の時の弁論大会では最優秀賞の常連でした。

高校の頃ふざけて書いていた恋愛の短歌を、大学のときに共同出版しないかと出版社から声をかけられたこともありましたそういえば😳

 

メロディに歌詞をのせることも、勉強したりすることなく当たり前のようにできました。

だから私にとって書くことっていつも特別なことではなかった。

 

だけどずっとアウトプットする場所がなくて、持て余していました。

 

今年からブログをスタートさせて、ブロガーの方たちから褒めていただけたり、ショートショートを書いてみたり。

ありがたいことに、作詞させていただく機会が急に増えたり。

こないだも思いがけずプロジェクトのテーマソングの依頼をいただけて、びっくりしすぎて漏れそうでした。

嬉しかった。

 

まだ占いのイメージが強いと思うけれど、これからは言葉と歌にもっとフォーカスして活動していきます😊♡